十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理して行きます!
前回は菊切手約250枚を額面別に分類するところまでやりました。発行された18種類の内、13種類が一枚以上は手に入った分けで、きちんと整理もできたしよかったと思います。
さて、春休みの旅行やら新学期の準備で色々と忙しかったのですが、今日は久々に、クリアフォルダーに入れた菊切手を取り出して開けてみました。
スタンプクラブに書いてあったように、日本ではほこりや湿気で切手をダメにしてしまうことが多いそうなので、きちんと密閉できるクリアフォルダーに入れて保管しておいたおかげで、切手は2週間ぶりに見ましたが、全然状態が悪くなっていないように見えました。
きちんと保存することは切手収集の基本だと思います。
ところで、これまでに手に入れた13種類の菊切手ですが、一番ベストな状態の一枚を残して、残りは全部切手交換に使おうかなぁ、と最初は考えていました。
ところが、先日、大人の切手収集家の方に聞いたのですが、「技術が確立し、高い精度で同一の切手を発行できるようになったのはせいぜいここ20年ほど。それ以前の切手は一見同じように見えても細部が違うことが多いから調べると面白いよ」とのことでした。
また「昔の郵便局は電信業務(電話関係)もやっていたから、郵便消印以外に電信消印がある。郵便消印も昔の日本は海外に領土を持っていたから、その使用例もある。今のように全国均一で発展していなかったから一部の地域の消印は珍しかったりする。」とのことで、消印の面も面白いのだそうです。
今回の袋の中に一番多く入っていたのは、三銭(紫)の61枚でした。僕が全く同じと考えていた、この61枚を上の考えを元に分類してみて、「違う切手かな?」「これも取っておきたいな!」と思える物が一枚でも多く出てこないかなぁと期待して、やってみようと思います。
消印については来週やることにして、今日は切手自体の違いを調べてみようと思います。
切手自体の違いというのは、用紙の厚さ、用紙の白さの度合い、用紙のすかしの有無、インクの色、目打、版の欠けなど、実に色々なところに表れるのだそうです。これはマニアックな事では無くて、明治時代の様にまだ精度の高い印刷技術が確立していない時代には、長い間発行され続ける切手を全く同一に作り続けることが難しかったということが原因の様です。逆に言うと、菊切手の専門家の大人は、ある菊切手を見ただけで、大体の発行時期が分かってしまうのだそうです。スゲー。
「まずは色の違いを見て分けてみたらいいよ」とアドバイスをもらいましたので、下の様に分けてみました。各列は僕が同じ色だと思ったもので、全部で6種類に分けました。
うーん。感覚的な物でなかなか難しいんですが、「やってる内に分かるから最初から完璧にやる必要はないよ」と言われましたのでそれを信じて・・・。ちなみに、この6列の最上段と最下段を一枚ずつ持ってきて横に置くと(↓)
ほら、明らかに違うでしょ。
切手収集の世界では、この様な色違いを「シェード違い」というのだそうです。印刷工場で切手を印刷するときに、昔はインクの色を毎回調合して作っていたため、この切手のように長期間(1899年4月1日発行。1906年5月15日に新しい3銭切手が発行されるまでの7年間にわたって発売された。)発売されていた切手の場合は工場で印刷される事も一度やそこらではなく、何十回とあったため、その度毎にインクの調合が違ったみたいです。まぁ図工の授業で僕が絵を描くときも、一週間前と同じ、絵の具の混ぜ方なんてできないですもんね。
切手の研究ですごいのは、色の分類をたくさんして、また消印の日付を一緒に見ることで、それぞれの色(シェード)の印刷時期が分かり、結果として、同じ切手でも色によって、「初期に製造された切手」「後期に製造された切手」が分かってしまうと言うことです。ものによっては、「中期に製造された切手」も何分類かできるため、同じと思っていた切手が5種類にも6種類にも分けられるのです。これをきくと、全部同じだから一枚だけ残して後は全部交換に使っちゃう等しなくて良かったと思いました。
ちなみに大人の人は、この3銭切手の色(シェード)を3つに分けるのだそうです。
(1)1899-1903年は、暗い赤紫
(2)1902-1906年は、茶紫
(3)1903-1906年は赤茶 だそうです。
そして、上の二枚の切手の内、左は恐らく(3)の赤紫で、右は(1)の暗い赤紫なのだと僕は思いました。ということは、左の切手は「後期製造の切手」、右は「初期製造の切手」と分類できます。
今日は切手とにらめっこが続きました。さすがに疲れた−。