当連載の第1回に書きましたが、切手展向けリーフを作る時に気をつけるのは大きく二つです。
- 美しい展示になるように頑張る
- 飽きさせない展示になるように頑張る
前回は、初めてリーフを作った人のリーフの添削により、美しいリーフについて学びましたが、今回は、二点目の「飽きさせない展示」について具体例を見ていきたいと思います。
その前に、切手展でリーフはどのように展示されるかご存知ですか?これを知らないでリーフ作りをしてしまうと、見ているお客さんが退屈だなーと感じてしまうリーフを作ってしまいかねませんから、是非知っておいて欲しいと思います。
この写真は、昨年開催された切手展の期間中の写真です。観客の皆さんが、展示作品を楽しんでいる様子が分かりますね。この切手展の展示方法は典型的なやり方なのですが、さてこの写真の中でリーフはどのように扱われているでしょうか?
- 鉄製の枠の中に収納されている。ー>正解!
- 一つ一つの枠の中には16枚のリーフが展示され居てる。ー>正解!
この二番目の「16」という数字に注目して欲しいのですが、この枚数が切手展で作品を展示する時の最小単位ということに「一応」なっています。「枠(わく)」は英語でframe ですので、16リーフの事を 1フレームと呼ぶ事もあります。
さきほど、「一応」と言ったのは、切手展の展示作品の中には例外的に8リーフしか展示しない「半フレーム作品」も登場する事があるからなのですが、原則としては、フレーム単位での展示となります。
ということは、切手展に参加するには、16リーフ分のコレクションを披露しなければならないと共に、16リーフの製作をしなければなりません。
ただ単に16リーフの製作を考えると、「うわー、たいへんだー」となってしまいますが、これに加えて見ている人を飽きさせないような展示にする事が肝心です。「さらにたいへんだー」と思った人もいるでしょう。
でもちょっと待ってください。見ている人がワクワクする様な展示なのであれば、むしろ作っている時は楽しいのではないでしょうか?
何も高い切手を展示すればいいということではありません。16枚もの展示をするのですから、色々なお話が盛り込めると思います。自分が飽きず、見る観客も飽きないような展示を考えましょう。
その為には、16リーフで何を書けば良いかをまず考えてみましょう。
事例として、「消費税の導入による郵便料金の変更」をテーマにした郵便史作品であれば、16リーフをどのように展開できるかについて考えてみました。
- タイトルページ
- 1989年消費税導入時期 封書
- 同 封書50gまで
- 同 葉書
- 同 速達
- 同 書留
- 同 なにか?
- 同 なにか?
- 2014年消費税8%時代 封書 ※9リーフ目の例を下部で紹介します。
- 同 封書50gまで
- 同 葉書
- 同 速達
- 同 書留
- 同 何か?
- 同 何か?
- 同 何か?
まだ、7,8,14,15,16リーフ目に何を展示するかは決まっていませんが、封書・葉書・速達・書留以外にも様々な郵便料金があります。(ゆうパック、書籍小包、簡易書留、ミニレター、電子郵便などなど)こららのターゲットの内、切手市場などで安く入手できる物を探して展示していけばよいと思います。
この展示に掛かるお金は安い物だと思いますが、それでも見に来る人は関心を持って展示を見てくれると思います。何故なら二回の消費税に絞って作られた展示作品はこれまでに存在しないからです。そして、消費税の増税が郵便料金に及ぼした影響というのは、ほとんどの切手収集家なら意味を理解するものの、様々な郵便料金に渡っての影響を導入前・後の比較により展示するのは面白いからです。
これに限らず、あなたの作った作品が、ただ単に切手やカバーを並べるだけでなく、「ストーリー(物語)」を伝えるものであれば、それは飽きが来ない作品であるといえます。そのような作品を作る事を目指すのは、美しい作品を作るのと同じくらい大事なことなのです。