短期集中連載「買った切手の整理・保管方法」の第五回です。
昨日紹介した郵趣文具のストックリーフよりも更に長い歴史を持つヒンジを今日は紹介します。私たちの生活ではたくさんのビニールが使われています。傘、スーパーのレジ袋などなど。しかしずっと昔はビニールは高級品で、価格も高く、したがって、ストックリーフのような商品は存在しないか存在しても結構高い価格で取り扱われていました。
では、その頃の切手コレクターは切手をどのように整理していたかというと、大半のコレクターは、ヒンジ(英語で「ちょうつがい」の意)という切手用文具を使い、収集した切手を紙に整理して集めていました。写真左下に3枚ほど見える薄い紙片がヒンジで、片面に糊がついており、上から四分の一あたりのところで折れています。お値段は1000枚300円前後で切手屋さんで販売されています。
ヒンジの糊のついた面を湿らすと、切手や紙にくっつきます。そこで、折れている片方を切手につけ、もう片方を切手を整理する用紙につけることで、用紙上に切手を整理する事ができるようになるわけです。 この方法は、切手自体の裏面を買った時のままの状態で保存できないという点で、最良の整理方法ではなく、ヒンジを一度でも貼り、はがした跡の残った切手は「ヒンジ付き切手」と呼ばれ、裏面がきれいな切手よりも安く取引されています。とはいえ昔はこれ以外のお金のかからない整理方法がほとんどなかったのが実情です。
ということで、安くありふれた切手を除けば、なるべくヒンジを使わない方がよいのですが、逆に、そんなに高い切手を持っていないジュニアコレクターであれば、ヒンジの使用を是非考えてほしいと思います。
ヒンジの使用が嫌われた原因の一つが、「切手を買った時のままの状態で保存できないこと」にあるのですから、使用済みの切手で既に裏糊が落とされた切手であれば、未使用の切手よりも抵抗なくヒンジの使用ができます。従って外国切手パケット(異なる種類の切手を500種類で1500円等で販売されている)等の整理には、どしどし使ったらどうでしょうか?
下はヒンジで切手を整理した例です。貼付ける紙については現在使用されているノートやコピー用紙で、基本的には白い紙か方眼紙が整理しやすいと思います。余白にはその切手に関するメモを書いても書いておくとあとで忘れずに便利かもしれないですね。
ちなみに、あまり高い切手を持っていない今、神経質になりすぎる必要はないのですが、切手の保存方法は奥深い知識が必要です。将来、より高い切手を買って整理する時には、もう一度大人の保存方法の勉強をする様にしてください。