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カテゴリー: 100円コレクション

菊切手17グラム分の整理その6 [100円コレクション]

十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理しています。

その3からその5にかけて、61枚入っていた菊切手3銭(紫)の分類をしてきました。最初は、同じ切手が61枚あっても仕方ないから一枚以外は全部いらないなと思っていたのですが、調べれば調べる程、一枚一枚の違いが分かってきました。

その3:色別による分類

その4:消印による分類

その5:目打による分類

を行ってきましたが、最後の「目打による分類」は、更に細かく分けられるという話を前回書きました。それは「目打のピッチ」なのですが、今回はその話を書きます。

 

まずはクイズなのですが、下の二枚の切手は、目打に違いがあるんです。よーく見てみてください。

スキャン 13

答え「左は単線目打で、右は櫛型目打」と答えられた人はすごいです。前回、その5をよく読んでいる人ですね。これが分からなかった人はまず、前回のその5をもう一度読んでみてください。

でも違いはそれだけじゃないんです。ヒントは「目打の穴の数を数えてみよう!」

左の切手は縦に14個、横に12個。右の切手は縦に16個、横に13個の穴があいています。

 

「そんな細かい事まで気にしなてくてもいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。確かに小さい切手の小さい穴だけに注目すると、大した違いではないようです。

しかし、よく考えて欲しいのは、大抵の場合切手は図の様に100枚シート(縦10枚横10枚)の状態で、目打をあける機械(目打穿孔機)にかけられるということです。この目打穿孔機は、大量の切手の目打をあけますから、相当頑丈な作りになっていて、そう気軽に穴をあけるペース=ピッチを変えたりしなかったのです。シート

従って、違うピッチの目打の存在は、目打穿孔機自体を新しい物に変更する時や何らかの意思でピッチを変えた事によってしか起こらなかったのです。

ということは、この目打ピッチを調べると、切手の製造時期が分かるということになります。菊3銭・暗い赤紫は1899年から1906年まで製造されていますが、発行当初の1899年は「縦の目打穴が14個、横の目打穴が12個の単線目打」しか使われていなかったため、これ以外の目打であった場合は初期製造の切手でないことが分かります。

 

その3から本日のその6までで知った、色調(シェード)、消印、目打(種類とピッチ)を組み合わせて、それぞれの切手を分類すると61枚もあるとは言え、かなり細かく分ける事ができるんじゃないかと思います。

菊切手17グラム分の整理その5 [100円コレクション]

十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理して行きます!

61枚入っていた、菊切手3銭(紫)の分類を前回、前々回と行ってきました。

前々回は、色別による分類をし、前回は消印による分類をしましたが、実はこの二つと同じくらい大きな意味を持つのが、目打による分類だと言うことを切手市場で教えてもらいました。

目打というのは切手のまわりについているギザギザの事なのですが、実は、このギザギザを付けるのは難しかったらしく、世界で最初の切手はもちろん、その30年以上後に発行された日本最初の切手にも、目打はついておらず、郵便局では、切手を買いにきた人に、ハサミで必要枚数分の切手を切り売っていたそうです。

でも、切手は小さいですから、そんなことを続けていると、切手の余白から内側に間違ってハサミを切り込んじゃう事もありますし、たくさんお客さんが並んで混雑してたいへんになってしまうので、切手の発売から十年もせずにイギリスで目打が発明されたのだそうです。

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発明当初の目打は、穴を開ける為の針が一方向に100個くらいつながったもので、縦、横それぞれ何回も穴あけを行うことで作られていました。

そんな開け方をすると、穴の継ぎ目をぴったり合わせるのは、とても難しく、大抵の場合、穴がずれてひょうたんのように開けられてしまいます。左の四枚プロック(残念ながらこれは僕のコレクションではありません。)の真ん中の目打を見てもらうと、きれいに空いていないのが分かりますよね?

この様な切手を「単線目打で目打穿孔された切手」と呼び、慣れるとブロックでなくても、見つける事ができます。

 

 

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これに対して、後年発明された、効率よく目打が切手につけられる目打穿孔機は「ク」の字型に穴あけ針を並べてあり、これにより製造された切手を「櫛型目打で穿孔された切手」と呼びます。

左の切手の真ん中の目打の穴を見ると、きれいに一つだけあいているのが分かりますよね?

こちらもブロックでなくても四隅を丁寧に見ていけば、区別がつけられます。

 

 

 

 

菊切手が製造されていた時代は、日本においてまさにこの両方の目打が存在する時代でした。従って、穴をよーく見ていると、どちらの目打で作られた切手なのかが分かり、それにより、切手の製造時期が見えてくるのです。これは面白いです。

下の四枚の切手は、61枚入っていた「菊切手3銭(紫)」の四隅を見て、「単線目打で目打穿孔された切手」を上の段に二枚並べ、下の段には「櫛型目打で目打穿孔された切手」を二枚並べた物です。

四隅が均一に目打穿孔されていない単線目打(左の切手の右上の目打と、右の切手の左上の目打に注目)と、きれいな櫛型目打の特徴(四隅ともほぼ同じ大きさの目打)がよく表われています。

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この二種類の目打の違いはどれくらい重要かというと、連載の3回に説明のあった色(シェード)の違いと同じくらい大きな違いなのだそうです。それは切手の製造時期を特定できるからだそうで、連載の4回にあった消印の違いよりも、切手自体にとっては重要な違いなのだそうです。

しかも、目打は穿孔方法の違いだけでなく、目打穴のピッチ(1cmに何個の穴をあけるか?)でも分類ができ、それにより切手の製造時期が分かるとのことで奥が深いですが、それについてはまた来週にしましょう!

 

 

 

菊切手17グラム分の整理その4 [100円コレクション]

十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理して行きます!

前回は61枚入っていた、菊切手3銭(紫)を色別に分類して、初期製造の切手と後期製造の切手を割り出す事ができました。

今回は、同じ菊切手3銭(紫)を、消印に注目して分類していきたいと思います。この切手の使用中に二度大きな手押し消印の変更があったため、消印の種類や日付に注目することにより、その切手の使用時期が分かり、そこから切手の製造時期を推測する事ができます。

「二度大きな手押し消印の変更があった」ということは、合計で三種類の手押印が使用された事になりますので、まずはそれについて説明しますと、

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こちらは、丸い印影の中に区切り線が一本入っていますので、収集家からは「丸一型日付印(通称「丸一印」)」と呼ばれています。1888年9月1日(明治21)から1905〜9年まで日本中の郵便局で使用された印です。この印は、3銭(紫)の初期、中期、後期製造の切手に満遍なく押されているようです。

 

 

 

 

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次に、1900年12月29日(明治33)以降1905年にかけて、大都市の郵便局で使用された、「丸二型日付印(通称、丸二印)」です。丸い印の中に線が二本入っているため、この名称がついています。

この印も、3銭(紫)の初期、中期、後期製造の切手に満遍なく押されているようです。

 

 

 

 

 

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最後に1906年1月1日(明治39)年から使用が開始された「櫛型日付印(通称、櫛型印)」です。丸い印の中に二本の区切り線があるだけでなく、「櫛」の模様が二カ所入っているのが分かりますか?

この印は、3銭(紫)の初期製造の切手(暗い赤紫のシェード)の製造時期には使用されていませんでしたので、この印が押されていたら、中期もしくは後期製造の切手と推定して良いかもしれません。

 

 

 

で、切手類をこの三種類の消印別に一列ごとに並べてみました。

20140416

こうやって並べてみると、日付がハッキリと読める使用済みばかりではないことにきづきました。

でも買った時の事を思い出してみると、一枚4円程度で買った切手の中から、郵便局名や日付や消印の種類の分かる使用済み切手が何枚も出てきたので、良かったと思います。

コレクターの中には、使用済み切手を消印別に収集している人もいるくらいなので、郵便局名や消印の種類が違ったら、粗末にせず、違う切手として手元に収集品として残しておいてもいいかなーと思いました。こう考えてくると、最初61枚も同じ切手があると思っていたのに、要らない切手はほとんどないように思えてきました。

でも、実は、この切手の分類には、色(シェード)や消印と並んで、もう一つ大きな分類方法である目打のバラエティがあるということを知りました。来週はそれについて調べてみたいと思います。

 

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