スタンプクラブ

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菊切手17グラム分の整理その5 [100円コレクション]

十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理して行きます!

61枚入っていた、菊切手3銭(紫)の分類を前回、前々回と行ってきました。

前々回は、色別による分類をし、前回は消印による分類をしましたが、実はこの二つと同じくらい大きな意味を持つのが、目打による分類だと言うことを切手市場で教えてもらいました。

目打というのは切手のまわりについているギザギザの事なのですが、実は、このギザギザを付けるのは難しかったらしく、世界で最初の切手はもちろん、その30年以上後に発行された日本最初の切手にも、目打はついておらず、郵便局では、切手を買いにきた人に、ハサミで必要枚数分の切手を切り売っていたそうです。

でも、切手は小さいですから、そんなことを続けていると、切手の余白から内側に間違ってハサミを切り込んじゃう事もありますし、たくさんお客さんが並んで混雑してたいへんになってしまうので、切手の発売から十年もせずにイギリスで目打が発明されたのだそうです。

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発明当初の目打は、穴を開ける為の針が一方向に100個くらいつながったもので、縦、横それぞれ何回も穴あけを行うことで作られていました。

そんな開け方をすると、穴の継ぎ目をぴったり合わせるのは、とても難しく、大抵の場合、穴がずれてひょうたんのように開けられてしまいます。左の四枚プロック(残念ながらこれは僕のコレクションではありません。)の真ん中の目打を見てもらうと、きれいに空いていないのが分かりますよね?

この様な切手を「単線目打で目打穿孔された切手」と呼び、慣れるとブロックでなくても、見つける事ができます。

 

 

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これに対して、後年発明された、効率よく目打が切手につけられる目打穿孔機は「ク」の字型に穴あけ針を並べてあり、これにより製造された切手を「櫛型目打で穿孔された切手」と呼びます。

左の切手の真ん中の目打の穴を見ると、きれいに一つだけあいているのが分かりますよね?

こちらもブロックでなくても四隅を丁寧に見ていけば、区別がつけられます。

 

 

 

 

菊切手が製造されていた時代は、日本においてまさにこの両方の目打が存在する時代でした。従って、穴をよーく見ていると、どちらの目打で作られた切手なのかが分かり、それにより、切手の製造時期が見えてくるのです。これは面白いです。

下の四枚の切手は、61枚入っていた「菊切手3銭(紫)」の四隅を見て、「単線目打で目打穿孔された切手」を上の段に二枚並べ、下の段には「櫛型目打で目打穿孔された切手」を二枚並べた物です。

四隅が均一に目打穿孔されていない単線目打(左の切手の右上の目打と、右の切手の左上の目打に注目)と、きれいな櫛型目打の特徴(四隅ともほぼ同じ大きさの目打)がよく表われています。

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この二種類の目打の違いはどれくらい重要かというと、連載の3回に説明のあった色(シェード)の違いと同じくらい大きな違いなのだそうです。それは切手の製造時期を特定できるからだそうで、連載の4回にあった消印の違いよりも、切手自体にとっては重要な違いなのだそうです。

しかも、目打は穿孔方法の違いだけでなく、目打穴のピッチ(1cmに何個の穴をあけるか?)でも分類ができ、それにより切手の製造時期が分かるとのことで奥が深いですが、それについてはまた来週にしましょう!

 

 

 

菊切手17グラム分の整理その4 [100円コレクション]

十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理して行きます!

前回は61枚入っていた、菊切手3銭(紫)を色別に分類して、初期製造の切手と後期製造の切手を割り出す事ができました。

今回は、同じ菊切手3銭(紫)を、消印に注目して分類していきたいと思います。この切手の使用中に二度大きな手押し消印の変更があったため、消印の種類や日付に注目することにより、その切手の使用時期が分かり、そこから切手の製造時期を推測する事ができます。

「二度大きな手押し消印の変更があった」ということは、合計で三種類の手押印が使用された事になりますので、まずはそれについて説明しますと、

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こちらは、丸い印影の中に区切り線が一本入っていますので、収集家からは「丸一型日付印(通称「丸一印」)」と呼ばれています。1888年9月1日(明治21)から1905〜9年まで日本中の郵便局で使用された印です。この印は、3銭(紫)の初期、中期、後期製造の切手に満遍なく押されているようです。

 

 

 

 

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次に、1900年12月29日(明治33)以降1905年にかけて、大都市の郵便局で使用された、「丸二型日付印(通称、丸二印)」です。丸い印の中に線が二本入っているため、この名称がついています。

この印も、3銭(紫)の初期、中期、後期製造の切手に満遍なく押されているようです。

 

 

 

 

 

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最後に1906年1月1日(明治39)年から使用が開始された「櫛型日付印(通称、櫛型印)」です。丸い印の中に二本の区切り線があるだけでなく、「櫛」の模様が二カ所入っているのが分かりますか?

この印は、3銭(紫)の初期製造の切手(暗い赤紫のシェード)の製造時期には使用されていませんでしたので、この印が押されていたら、中期もしくは後期製造の切手と推定して良いかもしれません。

 

 

 

で、切手類をこの三種類の消印別に一列ごとに並べてみました。

20140416

こうやって並べてみると、日付がハッキリと読める使用済みばかりではないことにきづきました。

でも買った時の事を思い出してみると、一枚4円程度で買った切手の中から、郵便局名や日付や消印の種類の分かる使用済み切手が何枚も出てきたので、良かったと思います。

コレクターの中には、使用済み切手を消印別に収集している人もいるくらいなので、郵便局名や消印の種類が違ったら、粗末にせず、違う切手として手元に収集品として残しておいてもいいかなーと思いました。こう考えてくると、最初61枚も同じ切手があると思っていたのに、要らない切手はほとんどないように思えてきました。

でも、実は、この切手の分類には、色(シェード)や消印と並んで、もう一つ大きな分類方法である目打のバラエティがあるということを知りました。来週はそれについて調べてみたいと思います。

 

菊切手17グラム分の整理その3 [100円コレクション]

十週分のおこづかいである、1000円を払って買った、菊切手17グラム(250枚入り;小判切手も60枚近くあり)を十週間かけて整理して行きます!

前回は菊切手約250枚を額面別に分類するところまでやりました。発行された18種類の内、13種類が一枚以上は手に入った分けで、きちんと整理もできたしよかったと思います。

2014-03-23 10.03.14さて、春休みの旅行やら新学期の準備で色々と忙しかったのですが、今日は久々に、クリアフォルダーに入れた菊切手を取り出して開けてみました。

スタンプクラブに書いてあったように、日本ではほこりや湿気で切手をダメにしてしまうことが多いそうなので、きちんと密閉できるクリアフォルダーに入れて保管しておいたおかげで、切手は2週間ぶりに見ましたが、全然状態が悪くなっていないように見えました。

きちんと保存することは切手収集の基本だと思います。

 

ところで、これまでに手に入れた13種類の菊切手ですが、一番ベストな状態の一枚を残して、残りは全部切手交換に使おうかなぁ、と最初は考えていました。

ところが、先日、大人の切手収集家の方に聞いたのですが、「技術が確立し、高い精度で同一の切手を発行できるようになったのはせいぜいここ20年ほど。それ以前の切手は一見同じように見えても細部が違うことが多いから調べると面白いよ」とのことでした。

また「昔の郵便局は電信業務(電話関係)もやっていたから、郵便消印以外に電信消印がある。郵便消印も昔の日本は海外に領土を持っていたから、その使用例もある。今のように全国均一で発展していなかったから一部の地域の消印は珍しかったりする。」とのことで、消印の面も面白いのだそうです。

今回の袋の中に一番多く入っていたのは、三銭(紫)の61枚でした。僕が全く同じと考えていた、この61枚を上の考えを元に分類してみて、「違う切手かな?」「これも取っておきたいな!」と思える物が一枚でも多く出てこないかなぁと期待して、やってみようと思います。

消印については来週やることにして、今日は切手自体の違いを調べてみようと思います。

切手自体の違いというのは、用紙の厚さ、用紙の白さの度合い、用紙のすかしの有無、インクの色、目打、版の欠けなど、実に色々なところに表れるのだそうです。これはマニアックな事では無くて、明治時代の様にまだ精度の高い印刷技術が確立していない時代には、長い間発行され続ける切手を全く同一に作り続けることが難しかったということが原因の様です。逆に言うと、菊切手の専門家の大人は、ある菊切手を見ただけで、大体の発行時期が分かってしまうのだそうです。スゲー。

「まずは色の違いを見て分けてみたらいいよ」とアドバイスをもらいましたので、下の様に分けてみました。各列は僕が同じ色だと思ったもので、全部で6種類に分けました。

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うーん。感覚的な物でなかなか難しいんですが、「やってる内に分かるから最初から完璧にやる必要はないよ」と言われましたのでそれを信じて・・・。ちなみに、この6列の最上段と最下段を一枚ずつ持ってきて横に置くと(↓)

kiku2

ほら、明らかに違うでしょ。

切手収集の世界では、この様な色違いを「シェード違い」というのだそうです。印刷工場で切手を印刷するときに、昔はインクの色を毎回調合して作っていたため、この切手のように長期間(1899年4月1日発行。1906年5月15日に新しい3銭切手が発行されるまでの7年間にわたって発売された。)発売されていた切手の場合は工場で印刷される事も一度やそこらではなく、何十回とあったため、その度毎にインクの調合が違ったみたいです。まぁ図工の授業で僕が絵を描くときも、一週間前と同じ、絵の具の混ぜ方なんてできないですもんね。

切手の研究ですごいのは、色の分類をたくさんして、また消印の日付を一緒に見ることで、それぞれの色(シェード)の印刷時期が分かり、結果として、同じ切手でも色によって、「初期に製造された切手」「後期に製造された切手」が分かってしまうと言うことです。ものによっては、「中期に製造された切手」も何分類かできるため、同じと思っていた切手が5種類にも6種類にも分けられるのです。これをきくと、全部同じだから一枚だけ残して後は全部交換に使っちゃう等しなくて良かったと思いました。

ちなみに大人の人は、この3銭切手の色(シェード)を3つに分けるのだそうです。

(1)1899-1903年は、暗い赤紫

(2)1902-1906年は、茶紫

(3)1903-1906年は赤茶 だそうです。

そして、上の二枚の切手の内、左は恐らく(3)の赤紫で、右は(1)の暗い赤紫なのだと僕は思いました。ということは、左の切手は「後期製造の切手」、右は「初期製造の切手」と分類できます。

今日は切手とにらめっこが続きました。さすがに疲れた−。

 

 

 

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